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[本001]エデンの東/ジョン・スタインベック [小説]

★★★★★
ジョン・スタインベック「エデンの東 上・下」




「二十日鼠と人間」
「怒りの葡萄」
「スタインベック短編集」

パラパラと読んできたけど、
どれも面白くお気に入りの本だった。

でも、スタインベックという作家を意識したのは

最近読んだ「赤い仔馬」がきっかけ。



コーマック・マッカーシーに夢中になった後、
同じような読み応えのある作品に
飢えている時期に出会ったせいか
一気にスタインベックの作品に対する興味が
深まったみたい。

少年の成長物語だけど、
表面的な甘酸っぱいものではなく、
一人の子供の成長物語を超えて
人間の血や肉や汗といったものを感じさせる
短いながらどっしりとした物語で、とても私好み。

で、手始めに読み始めたのが「エデンの東」。
ジェームス・ディーンの映画で超有名な物語だけど、
内向的なモラトリアムには興味がない
(そういう話だと思ってました)ので映画も観ていない。
でも「赤い仔馬」を読んで
こりゃそういう話じゃないかも、と思い立ち、
早速図書館で借りて読んでみた。

いやあ、ものすごく面白い!

人間は白か黒かで判断するには複雑すぎる。
この物語の登場人物たちも
一見善と悪に色分けされているかに見えるんだけど
どの人物についてもスタインベックの
人間性への疑念と愛情を感じる。
キャシーという悪の化身のような女性が出てくるんだけど、
この人物さえ愛らしく人間らしく描いていたり。

私が読んだのは新訳だったけど、
旧訳のほうが評判がよいという意見も見かけたので
近々旧訳で読み直してみよう。


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