SSブログ

2012年1月読了分まとめ [□月間感想まとめ(本)]

■2012年1月読了分まとめ

計5冊
-----------------------------------------------
★★★☆☆
[本001]テキサス無宿/キキ/谷譲次

丹下左膳の原作者、林不忘こと長谷川海太郎が
谷譲次名義で書いた「めりけんじゃっぷ」シリーズ。

1920年代禁酒法の時代に
アメリカ国内を放浪した体験を元に書いたもので、
当時のアメリカでたくましくずる賢く生き抜く日本人の姿が痛快。
かなで記された英語も
現代のカタカナ発音でなく、
耳で聞いたそのままに書き記してあって面白い。
字面ではピンと来ないのだけど、
口に出してみるとわかったりして。
この本を読んでる最中ずっとブツブツ言ってました。
人に見せられない(笑)。
-----------------------------------------------
★★★★★
[本002]火を熾す(柴田元幸翻訳叢書)/ジャック・ロンドン

短編集。いいねえ。ジャック・ロンドン。
意外にもマシスンを思い出した。
「赤死病」といい、19世紀に書かれた話とは思えない。
やっぱり好みの本ってつながって行くなあ。

すごいと思ったのは「生への執着」で
アラスカの山中で体力を文字通り使い果たした主人公が
通常私たちが想像するような極限状態を
通り越してなお進み続けるあたりの描写。
体力ゼロだから、あまり動けない。
で、スローモーションでこれまた死にかけの狼と戦う。
五感を刺激するすばらしい短編でした。
-----------------------------------------------
★★★☆☆
[本003]駅馬車―西部小説ベスト8/アーネスト・ヘイコックス他

西部小説を読んでみたくて、とっつきやすそうなこれを選んだ。
表題作「駅馬車」はいわずとしれた映画「駅馬車」の原作。
作者アーネスト・ヘイコックスの作品は
この短編集にもうひとつ「死人街道」が収録されている。
砂金を運ぶ若いガンマンが百戦錬磨の無法者集団に狙われる話で、
駆け出しガンマンの成長過程が見られて面白い。
私はこちらのほうが好み。
エドウィン・コール「ビリイ・ザ・キッドの幽霊」は
私の好んで読んできた種類の作品。
マーヴィン・デヴリーズ「ユマへの駅馬車」は
ヘイコックスの「駅馬車」に良く似た作品だけど
またしても私はちょっと厳しい「ユマ〜」のほうが好み。
-----------------------------------------------
★★★★☆
[本004]アメリカ短編小説傑作選/ギャリソン・キロワー編

図書館の除籍図書→積ん読本。

まあ、いつか読むかも、と思いつつ拾ってきたがかなり楽しめた。
さすが有名なシリーズだけあって、クオリティが高い。
「ブルーリバー通りの青い悪魔たち」はちょっと「スタンド・バイ・ミー」っぽくて好きだな。
「皮を半分まで剥がれた牛」ぎょっとするようなメタファー。
「ここにいるのはあんな人たちばかり」も良かった。
それ以外の作品もほとんどが面白かったです。

このシリーズ毎年訳出しないかな。
2006年(だったかな)はキングが編者やってるらしいし。
-----------------------------------------------
★★★★★[本004]極北の地にて/ジャック・ロンドン

先日読んだ「火を熾す」と収録作がかぶってた。

かぶってたのは「生の掟」「生命にしがみついて」「焚き火」。
初読は「極北の地にて」「千ダース」「老人たちの結束」「マーカス・オブライエンの行方」。

「極北の地にて」の砂糖のくだりには全編通してリアリティを感じる。
基本的にクロンダイクものはどれも似たような話なのだけど
どれも違った気持ちで読めるからスゴい。
スゴさの割に一般的な評価がイマイチな気がするけど…。
-----------------------------------------------

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。