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[本032・033]獄中記—地獄篇&煉獄篇/ジェフリー・アーチャー [ノンフィクション]

★★★☆☆
ジェフリー・アーチャー「獄中記—地獄篇」「獄中記—煉獄篇」


獄中記―地獄篇

獄中記―地獄篇

  • 作者: ジェフリー アーチャー
  • 出版社/メーカー: アーティストハウスパブリッシャーズ
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 単行本



獄中記―煉獄篇

獄中記―煉獄篇

  • 作者: ジェフリー アーチャー
  • 出版社/メーカー: アーティストハウスパブリッシャーズ
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 単行本




イギリスの有名作家ジェフリー・アーチャーが
獄中体験を語る本。

ジェフリー・アーチャーといえば、
個人的にはこれまで縁がなかったけど、
日本でも超有名な作家。
今まで読んできた獄中体験記に
本職の作家が書いたものはなかったので
(エドワード・バンカーは本職の作家だけど
いわゆる「本職の作家」とはちょっと毛色が違う)
わくわくするが、意外と淡白な日記調だった。

しかも、オクスフォード大出身、議員経験もあり、
貴族の称号も授与されているアーチャー卿、
そう簡単に獄中生活に馴染む訳もなく、
拘置所におかれた一ヶ月足らずの日々を描く地獄編、
その後移送された二ヶ月を描いた煉獄編を通しても、
あくまでも他の受刑者とは違う世界に居座り続けている。

そのためどこか「記録」風味。
感情の爆発が大好物の私は、ちょっと物足りなかった。

イギリスの刑務所ものは初体験だったんだけど、
日本とアメリカの丁度中間くらいのイメージだろうか。
日本ほどがんじがらめではないけど、アメリカほど危険はなさそう。
それともアーチャーが常に誰かに守られていたせいだろうか。

しかし、受刑者の中には自分たちとは別世界の住民で、
権威の象徴のような存在のアーチャーを快く思わないものもいただろうに、
不思議と襲撃を受けたりすることがない。
これまで読んだ本に出てきた刑務所内と同じように
アーチャーが過ごした刑務所でも
「ダブルバブル(借りたものは倍にして返す)」という
刑務所内の掟のようなものが存在するのだけど、
アーチャーは「自分は除外されて当然(だってここの住民ではないのだから)」的な
雰囲気で、しかも実際にそれを他の受刑者に要求するという
離れ業をやってのける。
驚きなのは、相手もそれを気前よく引き受けてしまうのだ。
有名人というのはそれだけの力を持ってるのだろうか。
それともアーチャーに類いまれなる人間力があるのかしら。

ちなみにこの本は三部作で、あと「天国編」というのがあるらしいのだけど
どうもこれ邦訳がないみたい。
おーい、ここまで読ましてそりゃないやろ!
しょうがないから、この体験を元に書いた短編集
「プリズン・ストーリーズ」でも読んでみるとするか。




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