090612 10代は遠くなった

「父さんが久しぶりにみんなで山に登ろうってよ！犬も連れて。」


母から電話だった。

私が10代の頃、よく家族で山に登った。
くじゅう連山だの祖母山だの…富士山にも登った。

そんな経験は私の中にしっかり根付いていたようだ。
去年、ふと思い出し、山に登ってみよう！と思った。
どこへ行くにも車で移動、仕事中は座りっぱなし、
一日天神を歩けば脚が震え出す始末の運動不足すぎる私、
たまには山くらい登ってみるのもいいんじゃないか？
と、適当な山を調べてみたところ、
車で1時間程のところに手頃な山があった。

その名も宝満山（830m）。
地元では人気の山で、頂上まで1時間程度、
登りやすく初心者にもオススメだそうだ。
昔家族で登ったことのある山は、どれも1700m〜の山だったので
これなら大丈夫だろうと思った。

甘かった。

朝10時から登り初めて、頂上に着いたのは午後2時。
降りる頃にはほとんど日が暮れていた。
通常の所要時間の4倍である。
10代の私よ、どれだけ遠くへ行ってしまうのか？

もちろん、それ以降山には近づいてもいない。

そこへ、冒頭の母の電話である。
犬を連れて行くと言ってもチワワやミニチュアダックスではない。

でかい。
しかも2匹いる。

どちらも雑種で、1匹はゴロー、もう1匹はハッチという。
ゴローは雑種のくせにとてもでかい。40kg以上あるそうで、
後ろ足で立つと162cmの私が屈まなくても顔を舐められるほどだ。
散歩に連れて行くとぶんぶん振り回され、
翌日は100％の確率で筋肉痛になる。
ハッチはゴローに比べると小さいが
冷静に考えると25kgあるそうだから決して小さくはない。
そんなことよりこいつは吠える。
もうやたらめったらに誰にでも吠えまくる。

こいつらを連れて山（しかもくじゅう1700m級）に登る。
もちろん離れて住む親からの誘いを断るはずもない。
その場で快諾した。

・・・でも、大丈夫ですか？私。

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